がんじがらめに傅いて




名乗った、とは少し違うと思うけど、なんだか今突っ込んだら話が逸れそうだからやめよう、うん。



「じゃあまずは僕からね!僕の名前は春森海純(はるもりかすみ)掃き溜めハウス(・・・・・・・)の201号室にいるよ!ほら、次は灯音(ひお)くんの番!」



ぽん、と彼、春森海純さんが肩を叩いたのは、先程わたしを思いっきり睨め付けてきたオレンジメッシュの彼だった。

そんな彼はひどく嫌そうに顔を歪ませて。……ちょっと、表情筋どうなってるのか教えてほしいくらいに。



「……なんで俺が、」

「────灯音くん。仲良くなって悪いことは、ないよね?」



読めない笑みを浮かべたままの春森海純さんは、彼へ何かぞっとするような雰囲気を保ったまま話しかけたものだから、彼も言うに言えなくなったようで。

小さくため息をついたのち、明後日の方向を向きながらぽそりと言う。



「……夏入(かいり)灯音。202号室」

「ごっめんね〜?灯音くん、今日機嫌悪いみたい」

「お気になさらず。私という部外者がいきなり来たのでそれも当たり前かと」



……今のは確実に、間違えようのないほど、敵意がこもった皮肉だった。



< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

うそつきな唇に、キス

総文字数/221,501

恋愛(キケン・ダーク)447ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「……わたしは、大嘘つきですよ。 それでもいいんですか?」 「ならば、おれも嘘にて対抗するだけだ」 〝おれが、すべてのアルファから、お前を守ってやる〟 ────これは、何も持たぬ少女と 裏を遍く支配する男が出逢ったことから始まる 偽りだらけのライアーエイデイ ꙳☄︎ 死活中の脱獄ライアー 仮名:える ××× 失活中の惰性フェイカー 仮名:若サマ ⋆͛‪‪⋆͛ やさしさなんて知らないように 男はひどく冷たくわらう 善人なんてしらないように 女はひどく無邪気にほほえむ ────はてさて ホンモノの嘘つきは、果たしてどちら? 「お前のことは、おれが絶対にころしてやる。 だから、おれの許可なく勝手にいなくなるな」 さあさあ、手段は選んでいられない ウソが偽りでなくなるその日まで 周囲もろとも騙し抜け 「最期に出逢えたのが、あなたでよかった」 「……それはこちらのセリフだ」 ◆ うそつきな唇に、キス 「わたし、はじめて 嘘つきでよかったって思いました」 2023.09.12 ───その嘘は、信頼か、はたまた裏切りか ⚠︎流血表現、残酷描写アリ オールフィクション (※文字化けしている部分は わざとですので気にせずお読みください)
イリーガルに咬みついて

総文字数/0

恋愛(キケン・ダーク)0ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
────満月照らす月夜の夜 世にも奇妙な化かし合いが、幕を開ける ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 𖤣𖥧𖥣。 牢屋敷 住居者リスト 𖤣𖥧𖥣。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 失脚された元若頭:朝架 澄々 血が苦手な殺し屋:栗生 咲波 過眠症ハッカー:斗賀 みくと コミュ障詐欺師:百津 麗 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 彼らが集うは、月に一度 満月の夜に〝競り〟が開催される牢屋敷 そこで彼らは 何かを待って、いるらしい 𖤐*̩̩͙⸝⋆ そんな彼らのもとに 運営側からとある家政婦が派遣された 「はじめまして。 本日よりあなた方のお世話を仰せつかりました」 〝何か〟を手に入れるには それ相応の対価が必要 さて、あなたは 望む物と引き換えに、一体何を差し出せる? 「愛はさ、この世でもっとも愚かで もっとも生きる理由になってしまうものだと思うよ」 まぶしいほどの愛を持つきみに ─────〝愛されたい〟と はじめて願った *̣̩☽ 愉快で危険な問題児たちが集まる 〝ダークサイドの吹き溜まり〟 あなたも覗いていきませんか? (※尚、安全は保証しませんのでご注意を※) 2022.12.19 ⚡︎ イリーガルに咬みついて ⚡︎ 此処にあるのは、愛? それとも────触れてはならぬ、禁忌?
今夜はずっと、離してあげない。

総文字数/175,912

恋愛(キケン・ダーク)415ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
春は出会いと別れの季節と言うけれど 「今日からお前ん家に泊めてくんない?」 「え、嫌です」 うららかな日の夜、公園で家出人を拾いました。 (※不本意) * ・ ‥ 「つまらぬモノを拾ってしまった……」 拾得者♀ マイペース(?)/お人好し ××× 「誰がつまらぬモノだ」 遺失者(?)♂ 見た目フリョウ/※ただし家事万能 ‥ ・ * 髪はくすんだ灰色 右耳にはアホほどに光るピアス。 なのに割と世話焼きで 何かあったらすぐ心配する心配性。 そんなあなたは、 「こいつ甘やかしていいのは俺だけ、な」 とてもズルい人だと思う。 ° ・ : ◇ ──────私を通して誰を見てるのか知ってるよ ◇ : ・ ° 「お前は俺の、唯一無二だよ」 *今夜はずっと、離してあげない。 ─────ただいま と おかえり は それぞれふたりの目印だ 2021.04.11 執筆開始

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop