私たちの恋風は、春を告げる
−雪雫 ゆきしずく−
それから数日後の夕方。
「ここ、どうなるんだっけ…」
夕日が差し込む部屋の中、私は机に数学の参考書を広げて、すっかり解き方を忘れてしまった問題に苦戦していた。
もう、受験なんて無理なことは確かなはずなのに、まだどこか希望を捨てきれずにいる。
「……ダメダメじゃん、私」
想像以上に遅れている自分に、呆れて笑うしかない。
と、扉をノックする音がした。
看護師さんかな…?