私たちの恋風は、春を告げる
「…おばさん、咲茉は…?」
俺の問いに、おばさんは俯いた。
「…あのね、あの子今手術中なの。もう、半日ずっと待ってるの」
「半日も、ずっと……?」
桐原の問いに、おばさんは小さく頷いた。
「…ええ。咲茉が言ってたわ。二人とも、今日は受験だったのよね?」
「……はい。1秒でも早く、咲茉に会いたくて……」
「……俺も」
桐原の声が震えている。
「今日は、とても疲れたでしょう?わざわざ会いに来てくれて本当にありがとう。でも、今日はゆっくり休んでいいのよ?」