果実と恋のバスケット
「リンゴくん、なろうよ」
その言葉は、まっすぐ、まっすぐに僕に届いた。
「教師に、パティシエに。無謀な夢でも、挑むだけで価値があるんだよ」
「…ただの、フルーツに過ぎない僕が?」
「なったらすごいよ!」
なんの慰めにもならないよ、そう言おうとした。
具体的な案もない、君のそんな言葉じゃ。
「もし、夢が叶ったら…アップルパイを焼いてあげるよ。パティシエになった私が作る、とびっきり美味しいアップルパイ!」