果実と恋のバスケット
「あーもういい!アンズ、ちょっと来い!」
ぐいっ、と腕を引かれて慌ててバランスを取ると、少しだけレモンくんが歩みを緩めてくれる。
言葉には出さないけど、ちゃんと優しいところがあるんだって私は学んだんだ。
私はイチゴくんを見る。
今日はイチゴくんと、って話だったけど…。
「アンズちゃん、今日はありがとう!…レモンくんへのお祝いとして、ここは譲ってあげるよ」
後半の言葉はおそらくレモンくんに向けて。
レモンくんはイチゴくんを見ないまま「あっそ。」と呟いた。