First Last Love
わたしは申し訳ない気持ちでビールを一気飲みした。
「お兄、あたし寒いんだけど」
「じゃあ帰ろう」
「じゃなくて。毛布積んでたよね? キャンプとかヨット用の。あたし月城さんと飲んでくの。お兄は待機してて。男の顔は見たくない」
「村上くん、わたしが夕凪ちゃんの話、聞く。たぶん、わたしの方がいい」
「わかったよ。毛布だけ取ってくるから。俺は車にいる。寒いんだから一時間な」
「おっけーい!」
「まあ……。変なこと考えてるわけじゃなさそうで、よかったわ。月城、ごめんな」
「ううん。わたしなんて絶大なるご迷惑をおかけしたんだから」
村上くんは車に毛布を取りに戻った。
「うー、寒いね。よくこんな寒いとこで飲んでられたね」
「今日はこの季節にしてはあったかいかも。でもおー。あ、日本酒ありますよ?」
「じゃあ日本酒もらっていい?」
この間、十二年ぶりの実家で飲んだら美味しかった事を思い出す。
わたしは日本酒を受け取ると、寒さを凌ぐために一気に喉に流し込む。