First Last Love

けれどそこまでの心配もなかった。

三十分後くらいに月城は自分で医務室から出てきた。

会議がちょうど終わったところで、月城は直属の上司に頭を下げている。

遠目で身振りからしか推測できないけれど、気遣う上司に対して問題はないと話しているように思える。

その後、上司に教えられたのか、月城は俺のところにも運んでもらった礼を述べにきた。

「副社長、ありがとうございます」
「いや、いいよ。俺だけ手が空いてた。自分のプレゼンが終わったすぐ後だからさ」

 俺から遠ざかる月城を見ながら、なぜか唐突に違和感の正体に行き当たった。

「電報堂って……」

 思い当たってしまうと確認せずにはいられない。ラッキーなことにちょうど昼休みに入る時間だった。

 俺は外に出ると、このビル専用の喫煙所近くで、高校時代のラグビー部で一緒だった高梨に電話をかけた。最近、フォルガの飲み会があった。

 高梨は電報堂に勤めていて、デジタルの部門だったから酒の席で話が盛り上がったのだ。教えてもらうことも多かった。

「あ、高梨、仕事中悪い。今ちょっと、一分だけいいか? …………おーありがと……。ちょっと聞きたいことがあってさ……」


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