巫女&十二支擬人化男子、学園をナイショで守護してます!
十二支が擬人化⁉︎
 今朝は、とってもきれいな青空。

 私は気分良くおさいせん箱の前に立って、大きな鈴に繋がっている太い鈴緒を揺らした。

 ジャラン、ジャランという澄んだ音色が拝殿(はいでん)に響く。


「えっと、まずはおじぎを二回。次に手を二回打ち鳴らす。それからお祈りをして、最後に一回おじぎ!」


 小さい頃から毎日やってるから、もう身に染みついちゃってる動作だけど、つい口に出ちゃう。

 本当はもっと丁寧におじぎしなきゃ叱られるんだけどね。

 とくに、私みたいな立場だとね。

 ん? どういう立場かって?

 ヒントは、今私が着ているこの着物だよ。

 上は白い小袖、下は赤い袴。わかりやすく言うと巫女さんスタイル。

 ……そう。この私、榊 由巫(さかき ゆみ)は、なんと巫女なのです!

 今年、地元の県立高校に進学した十六歳。女子高校生巫女なのだ!


「よーし! 今朝のおつとめ、終了!」


 私は両腕をグンッと上げて、大きく伸びをしながら振り返った。

 石が敷かれた長い参道や、赤い大きな鳥居や、石灯篭(いしとうろう)が見える。

 こうして見ると、どれもこれもずいぶん古びているなぁ。ま、そりゃそうだ。

 なんてったってこの神社、いつの時代に建てられたのかもわからないくらい古~い神社なんだもん。

 お父さんはここの神主さんで、私はこの、由来(ゆらい)も謎な古ぼけた神社のひとり娘なの。
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