巫女&十二支擬人化男子、学園をナイショで守護してます!
全員集合!
「どうしてくれるのよ! ステージの天井も床も、穴だらけじゃないの!」


 本日、私はまたまた校長室で、鍋島先生にこうして怒鳴られております……。

 学園祭の件で呼び出されて、部屋に入った瞬間からずーっと怒鳴られっぱなし。

 それもしかたないとは思う。だって体育館のステージを破壊しちゃったんだもん。

 でもさ、破壊したのは私じゃないんだよ……。そこをくわしく言えないのがつらいところだ。


「まあまあ、鍋島先生。修理費用は保険が下りるから大丈夫だから」


 校長先生が鍋島先生をなだめてくれたけど、鍋島先生はさらにヒートアップ。


「こんなトラブルばかり起こす生徒は退学にすべきです! 何度言っても髪は切らないし、教師をバカにしているんだわ!」

「まあまあまあ。落ち着いて」


 騒ぎ立てる鍋島先生を校長先生が必死におさえてくれている。

 こりゃあ、停学くらいは覚悟した方がいいかも。

 って思ってたけど、そのうち鍋島先生がエネルギー切れでグッタリしちゃったおかげで、私はどうにか無罪になった。

 何度も頭を下げながら校長室を出ると、廊下で志狼君たちが心配そうに待ってくれていた。


「由巫。退学って聞こえたけど、だいじょうぶか?」

「うん。なんとか許してもらえた」

「よかった……」


 心の底から安心した表情の志狼君の横に、見慣れない男子生徒が立っている。

 黄緑色の髪がふわふわのクルクルで、お人形みたいにかわいらしい男の子。

 だけど、どこか具合でも悪いのかな?

 やたら眠そうな目をして、上半身をユラユラさせている。

 彼は大きなあくびをしながら私に挨拶してくれた。
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