もっと、キミと
「もちろん。クラスメイトだからね。これからも、よろしく」
そう言うと、彼がスッと手を差し出して握手を求めてきた。
改めてこういうことをするのは、照れくさい。
でも、手を握り返すと大きな手で私の手をぎゅっと握る温かさで安心とさえ思えた。
「た、樹くん……」
「ん? どうしたの?」
「宿題……教えて欲しいなっ」
いつまでも握手をするのは恥ずかしくて、話題を切り替えるために手を離して両手を後ろで組んだ。
「あー。さっきの嘘だよ?」
「え。嘘!?」
驚いてパチパチと瞬きを繰り返すと、「ぶはっ」と吹き出して笑う彼。
「ごめんごめん。早く美華ちゃんの口からクラスメイトになれたって事を聞きたくて、つい」
つい、じゃないよ。
と、言いそうになったけれど口には出さず、ニコニコと笑みを浮かべた。
だって、彼の顔を見ていたらドキドキして言葉がうまく出てこない。
……ドキドキ?
そういえば、どうして私……ドキドキしてるんだろう。
間宮先生に会うまでの緊張感とは違う、ドキドキ。
これ、もしかして……。
「美華ちゃん?」
「あ、ご、ごめんね……! ぼーっとしちゃって!」
私の答えに、ただ「そっか」と機嫌良さそうに笑う彼。
多分、私……樹くんが好きなんだ。
ピンチを助けてくれて、私にいっぱい笑顔を向けてくれて、居場所を作ってくれた。
そんな人に、特別な感情を抱かないわけがない。