初めての恋のお相手は
「…」

「楸は?」



不意に問い返されて驚く。


だけど


優しい表情を浮かべて、言葉を待つ祠堂さんに
どこか、くすぐったいような気持ちで
歩きながら、ぽつぽつ話す。



「…4月6日生まれ、18歳、です」

「あらやだ。若いのね
大人びて見えるから、20歳超えてると思ったわ」

「仕事は、介護施設で働いてました」

「イメージできるわ」

「趣味は、……節約…?」

「…切ない趣味ね
趣味と言うか、楸にとっては
死活問題に近いんじゃないかしら…」

「性格は、おとなしいってよく言われます
心配性で、頑固な所もあります」

「そうね、それは分かるわ」



祠堂さんはその都度、反応を返してくれる。


ちゃんと、私の話に耳を傾けて
ひとつひとつに言葉を返してくれる。


……なんの裏も、意図もなく
本当に思ったことだけを口にしているような


純粋な言葉や表情、声が


……こんなに嬉しいなんて、知らなかった。
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