初めての恋のお相手は
「…」

「どうしたの?何か言いたそうな顔して」



部屋の鍵を閉めてから
私の視線に気付いた祠堂さんが言う。



「…えっと…祠堂さんの事
もう少し、知りたいなって…思って…」



口にして、なんとなく
気恥ずかしくなって語気が弱まる。


その言葉に、祠堂さんは
きょとんとした表情を浮かべていて。



……いきなりだったかな。



タイミングを間違ったかもと
うつむき、両手をいじりながら焦る私に


優しい声が返ってくる。



「9月29日生まれの、24歳」

「え…」

「口調はこんなだけど、一応男」

「…」



顔をあげれば
祠堂さんは、穏やかに微笑みながら
自分の事を話してくれる。



「職業、花屋の店員
趣味、季節の草花を愛でること」


「性格は…お人好しってよく言われる
だけど、自分がしたいことをしてるだけ
結構わがまま、で、マイペースかしら」
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