別れ話みたいだと思った。

「先輩とつきあってんの」
「そうだけど」
「つきあうってどういう感じ?」
「えー、別に。フツーだよ」

他愛のない話をしながら、コンビニに寄ってふたりして別々に買い物をして会計を済ます。
幼馴染は新しい煙草を制服を着たままなのに買っていた。
ここはあまりにも田舎なのでそういうことに疎いし、親から頼まれましたで済む時代だった。

幼馴染は私を家の門まで送り届けてくれた。
そして、私にさっき買ったばかりの自分が吸っている銘柄の煙草を丸ごとひと箱寄越した。

「やる」
「え、いいよ。これ私の吸ってるやつじゃないし」
「いいから」
「じゃあ、私の、残り半分くらいだけどあげる」

私たちはお互いの煙草を交換し合うと、しばらく押し黙ってその場に突っ立っていた。
私は、なんとなく、これでもうふたりきりでは会うことはなくなるんだろうな、って言う気がした。

幼馴染は一旦腕を私の方に伸ばしたけれど、すぐにそれをおろして、なんだか困ったような笑い方をした。

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