刹那に触れる兎
わたしはこの日も22時で仕事を上がり、着替えてお店を出た。
すると、こないだと同じ場所に黒いクラウンが停まっているのが見えた。
諏訪さん、本当に迎えに来てくれたんだ。
そう思いながら、ヒールを鳴らし、ロングのトレンチコートを靡かせ、黒いクラウンへと近付いて行く。
わたしが近付いて行くと、運転席から諏訪さんが降りて来て、「お疲れ様です。」と言った。
そして、助手席のドアを開けてくれ、わたしは「ありがとう。」と言うと、助手席に乗り込む、
諏訪さんは運転席側に回り、車に乗り込むと「今日は何人相手して来たんですか?」と言った。
「んー、12人だったかなぁ。」
「毎日そんなに相手してるんですね。帰ったら、僕が莉子さんの身体を上書きしないと。」
そう言うと、諏訪さんは車を発進させた。
「諏訪さん、わたし着替えがないんだけど。」
「ですよね、気付かずすみません。でも、今莉子さんを迎えに来る前に色々買って来たので、ご安心ください。」
諏訪さんの言葉を聞き、ふと振り返り後部座席を見ると、大きな紙袋5つが並んでいた。
「僕の趣味で買ってしまったので、気に入っていただけるか分かりませんが。もちろん、シルクのガウンも買っておきましたよ。」
「さすが弁護士さん、気が利くわね。」
そして、わたしたちは諏訪さんの自宅に帰宅した。