【短編集】あなたのおかげで今、わたしは幸せです
「お父様、新しいお相手のリストアップは?」

「当然はじめている。というより、すでに呼び寄せているんだ」


 父はそう言ってパンパンと小さく手を叩く。すると、ややして一人の男性が部屋に連れてこられた。


「お初にお目にかかります。陛下とオウレディア殿下におかれましては、ご機嫌麗しゅう……」


 若く、見目麗しい貴族の男性たち。それはお茶会という体をとった、婚約候補者たちの面接だった。


「おまえはオウレディアを見てどう思う?」

「え? それは当然お美しいな、と……」

「心から愛せそうか?」

「愛し? それはもちろん……」


 私たちに残された時間はあまりない。万が一口私を心から愛してくれない人を選んでしまったら――おそろしい結末を迎えてしまう。
 お父様も私と同じ気持ちなのだろう。初っ端からかなり突拍子のない質問をせざるを得なかった。


「どうだい、オウレディア? これまでの間に気に入った男性はいたか?」

「そうね……よくわからないわ」


 何人かに話を聞き終わったところで、お父様から第一印象を尋ねられる。

 正直なところ、私が相手を気に入ったところであまり意味はないと思う。だって、向こうが私のことを愛してくれなかったらそれで終わりだもの。
 だから、注目すべきは私に対してどのぐらい好印象を持ってくれるかっていうことと、なんとしても王家とつながりを持ちたいという野心ってことになるんだけど。


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