【短編集】あなたのおかげで今、わたしは幸せです
「そっか……それじゃあ仕方がない、かな」


 私は必死に笑顔を取り繕う。


「オウレディア殿下……」

「だって、もしも私がメレディスなら、そんなおそろしい役割は引き受けたくないもの。これまでなんの事情も知らされていなかったのだし、メレディスが気の毒だわ」


 誰かを好きになることって、きっとものすごく難しい。他人に命じられて「はい、わかりました」と言えるようなことじゃない。もしも結婚式で私が死んだりしたら――そんなこと、想像するだにおそろしい。きっと、メレディスはそうやっていろんなことを考えていく内に、心が疲れ切ってしまったのだろう。


「本当に、申し訳ございません」

「ううん。むしろ今の段階で教えてくれてよかったわ。タイムリミットまであと一年あるし、新しいお相手もきっと見つかるはずよ」


 というか、見つからなかったら私は死んでしまうわけで。死にものぐるいで探すしかない。


(そうよ、こんなことで死んでたまるもんか!)


 そうして、私の命をかけた婚活がはじまったのだった。


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