【短編集】あなたのおかげで今、わたしは幸せです
「実は、結婚が決まったから文官登用試験は受けなくていい。花嫁修業に励みなさいって言われてしまって」
「え?」
アンベール様が目を見開く。私は無理矢理笑顔を作った。
「貴族である以上政略結婚は当たり前だし、女性は家に入って大人しくしているべきなんですって。これまで必死に頑張ってきたのに馬鹿みたいだって思いません? ホント、嫌になっちゃう。……だから、これからは勉強の必要なんてなくって。アンベール様と張り合うのももう終わりですね」
駄目だ。全然上手に笑えない。再びうつむいてしまった私を、アンベール様はじっと見つめた。
「お相手は?」
「ファビアン公爵だそうです。正式な婚約は学園の長期休暇のときになると言われています」
「なるほど。それじゃあ、まだ正式に婚約を結んだわけじゃないんだね」
アンベール様はそう言って私の手をギュッと握る。思わぬことに、私はおそるおそる顔を上げた。
「だったら、僕がラナ嬢の恋人のふりをしよう」
「……え?」
一瞬なにを言われたのかよくわからなくて、私は大きく首を傾げる。アンベール様はそんな私を見つめつつ、ゆっくりと大きく深呼吸をした。
「え?」
アンベール様が目を見開く。私は無理矢理笑顔を作った。
「貴族である以上政略結婚は当たり前だし、女性は家に入って大人しくしているべきなんですって。これまで必死に頑張ってきたのに馬鹿みたいだって思いません? ホント、嫌になっちゃう。……だから、これからは勉強の必要なんてなくって。アンベール様と張り合うのももう終わりですね」
駄目だ。全然上手に笑えない。再びうつむいてしまった私を、アンベール様はじっと見つめた。
「お相手は?」
「ファビアン公爵だそうです。正式な婚約は学園の長期休暇のときになると言われています」
「なるほど。それじゃあ、まだ正式に婚約を結んだわけじゃないんだね」
アンベール様はそう言って私の手をギュッと握る。思わぬことに、私はおそるおそる顔を上げた。
「だったら、僕がラナ嬢の恋人のふりをしよう」
「……え?」
一瞬なにを言われたのかよくわからなくて、私は大きく首を傾げる。アンベール様はそんな私を見つめつつ、ゆっくりと大きく深呼吸をした。