【短編集】あなたのおかげで今、わたしは幸せです
「本当ですって。偶然っていうのはまま起きるものなんですよ! わたしがこうしてリアム様と出会えたみたいに」

「――そうですか? というか、俺とあなたが出会ったことは関係ないですよね?」

「水も滴るいい男! わたし、リアム様が大好きです!」

「――それはどうもありがとうございます」


 リアムは眉間にシワを寄せ、うーんと唸り声をあげた。

 ラブはリアムが大層お気に召したらしく、頻繁に好意を伝えてくる。もちろん、嫌われているより好かれているほうが仕事がしやすいのだが、真面目で堅物なリアムは反応に困ってしまう。


「リアム様ったら、本気だと思ってないでしょう?」

「……当然です。もしもラブ様が聖女と確定したら、王族と結婚する可能性が高いですし」

「またまたぁ! わたしは聖女じゃありませんってば!」


 ケラケラと笑いながら、ラブはリアムをギュッと抱きしめる。


(いや、おそらくラブ様は聖女だ)


 こんなにも偶然が続くはずがない。

 とはいえ、本人に気のせいだと言い張られてしまったら、聖女だと認定することは難しくなってしまうのだが。


「せっかく来たので、作物の具合も視察していきましょう」

「そうですね! 今からでも元気に育ってくれるといいんですけど!」

「――そうですね」


 おそらくはラブの言うとおりになるだろう。リアムは思わず目を細めた。


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