君が恋する私は、
「あ、あぁ」

私は慌てて、お店用のスマホを取り出した。


「よし、交換できた! さくらちゃんっていうんだね」


そんなことをしているうちに、警察官がこちらに来た。

「とりあえず今日は、お二人ともパトカーで送っていきますね」

「あ、ありがとうございます」

促されるままにパトカーに乗り込んだ。


家に着く頃には、すっかり遅くなってしまっていた。

良樹は心配しているだろうか。


「ただいまー」

「パトカー止まってたけどなんかあったの!?」

玄関のドアを開けてすぐに、良樹の心配そうな声が飛んでくる。

「ちょっと色々あって……、」

リビングで良樹に今日あったことを説明した。


「それならそうと言ってくれればよかったのに」

「ごめん」
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