君が恋する私は、

熱中症

「る、藤田くん!」


──あぶな、るいくんって呼ぶところだった。


2人でテーマパークに行ったのに、藤田くんと私、紗良の関係はなにも変わっていなかった。

当たり前だ。

別に藤田くんはさくらとデートに行ったのであって、決して紗良とデートに行ったのではない。

わかってるけどやっぱりへこむ。


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「なになに、どうした? さくら」

ねねさんが心配そうに顔をのぞき込んでくる。

今はバイトが終わって、2人で着替えていたが、つい心の声がもれていたみたいだった。


「いえ、別に大したことじゃないんですけど」


「んー? 悩みならお姉さんがなんでも聞いてやるぞ」

少しふざけながら、ねねさんは私のほっぺを両手で挟んでくる。


「学校に藤田くんっていう同級生がいるんですけど──、」

そこから私は、ねねさんに藤田くんのことを全て話した。
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