The previous night of the world revolution4~I.D.~
そのとき俺は、部下達と一緒に、殲滅任務を終えて帰ってきたところだった。

ルルシーさん、ルレイアさん、ルリシヤさんの三人が不在の為、三人の捜索に加え、普段あの三人が担当していた仕事も、残りのメンバーで補わなければならなくなった。

その為、アイズさん達や、俺達準幹部組は、いつもの何倍も忙しい日々を送っていた。

なかなか家にも帰れず、フューニャには寂しい思いをさせてしまっている。

大変申し訳ないが、我慢してもらうしかない状況だ。

俺も、めちゃくちゃ我慢している。

コンビニのおにぎり超不味い。フューニャのご飯食べたい。マジで。

何より、フューニャ欠乏症がそろそろ本気でヤバくなってきた。

そこに、彼女は『青薔薇連合会』にやって来た。

「お前…確か…革命軍の」

見覚えがあるぞ。この女。

「ヴァルタ・エリニア。ルアリスに頼まれて、お前達の力になりに来た。元々、箱庭帝国の方が落ち着いたら、『青薔薇連合会』に加入しようと思ってたところだったしな」

「そうか…ルアリスが…」

人手不足の今、協力してくれる人が増えるのは有り難い。

「分かった。とりあえず、まずはアイズさんに…」

アイズさんのもとに連れていって、ルアリスからの使者がやって来たことを伝え…ようとした、そのとき。

「…ん?」

俺の携帯に、着信音が鳴った。

誰かと思ったら、

「あ、フューニャ…」

フューニャから電話である。

珍しい。仕事中に電話やメールを入れてくることは、滅多にないのに。

というのも、連絡するときはいつも俺の方からするものだから。

毎日何だかんだ暇を見つけては、フューニャに連絡を入れている。

今日は、まだ連絡していないが…。

こちらからかけるまでもなく、フューニャの方から電話してくるとは。

何かあったのだろうか?

まさか…また占いで良くないものが見えた、とか?

「…悪い。ちょっと電話、出てくる」

「あぁ。別に私は気にしないからここでして良いぞ」

じゃ、遠慮なくここで出よう。

「…もしもし?フューニャ?」

『あ、ルヴィアさん…。ごめんなさい、お仕事中に』

忙しくて目が回りそうなときでも、電話越しでも…フューニャの声を聞くと、ほっこりした。
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