The previous night of the world revolution4~I.D.~
解読が終わり、報告書にまとめたときには、既に真夜中になっていた。

しかし、私はアシュトーリアさんに連絡し、幹部組と、それからルヴィアを召集してもらった。

ルヴィアは準幹部だが、このメッセージを持ってきた責任者として、同じテーブルにつく権利があると判断した。

深夜であるにも関わらず、アリューシャもシュノも、すぐにやって来た。

いつもなら、とっくにおねむになっている時間なのに。

アリューシャは、はっきりと目を覚ましていた。

「済みません、アシュトーリアさん。こんな時間に…」

「いいえ、私もずっとそのメッセージが気になって、眠れなかったんだもの。解読が終わったのなら、すぐに聞きたいわ」

「…分かりました」

ルレイア達の身を案じているのは、幹部組だけではないということだ。

「音声ファイルの質が悪く、ノイズも多くて…解読に時間はかかったけど…およそ五分のメッセージを要約すると、これ。そして後ろに添付しているのが全文です」

「…」

アシュトーリアさんは、この上なく真剣な眼差しで、私が手書きで記してコピーした書類に目を通した。

…彼女がこんなに真剣な表情をするなんて。

同じく、シュノも負けないくらい真剣な眼差しだった。

アリューシャも、書類を読むのは苦手なはずだが…眉間に皺を寄せて、必死に読んでいた。

…の、だが。

「…やべぇ。読めん…」

「あ、ごめん。ふり仮名忘れてた…」

アリューシャには難しい言葉が多かったかも。

つい、急いでたものだから。

私は自分の書類に、さらさらとふり仮名を書き込んで、アリューシャの書類と交換した。

「はい、こっち読んで」

「済まんアイ公…。アリューシャ一生の不覚…!」

大丈夫大丈夫。一生長いから。気にすることはない。

ルヴィアも、シュノ達に負けないくらい険しい顔で書類を読んでいた。

当然、解読した私も…このメッセージの全容は知っているが。

愉快なものとは、程遠い内容だった。
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