The previous night of the world revolution4~I.D.~
「シュノさん…。今日は積極的ですね?」

嫌いじゃないよ、俺。

そういうの。

「だって…ルレイアはそのつもりでホテルに来たんじゃないの?」

「しっ…けいな~!シュノさんたら、俺のこと性欲大魔人だと思ってますね?」

大正解だよ。

でも俺だって、傷ついている家族相手に、ホテル連れてきて、すぐ開始!なんて無粋なことはしないよ。

ハーレム会員ならすぐ開始するけどさ。

「大魔人って…。でも、私ルレイアのことは好きだよ」

「そうですか。ありがとうございます」

「…今日は、私を慰める為に…デートに誘ってくれたんだよね?」

「…そうですね」

効果があったのかは分からないけど。

「ありがとう。とっても楽しかったよ」

「…それは良かったです。…少しは、元気になりました?」

「うん」

シュノさんは、にこっ、と微笑んだ。

…良かった。少なくとも、笑顔は出るようになった。

作り笑いと本物の笑顔の区別がつかないほど、鈍くはないぞ。俺は。

「いつまでもめそめそしてたら…ルーちゃんも安心して眠れないよね」

「…」

「アシュトーリアさんにも…心配かけちゃうし…」

…そうだね。心配してたね、アシュトーリアさん。

そして、心配していたのはアシュトーリアさんだけではない。

「ルルシーもアイズも、アリューシャもルリシヤも、心配してましたよ」

「…そうなの?」

「そうですよ。勿論…俺もね」

俺はシュノさんの髪を指先でくるくると弄った。

「忘れたいのなら、俺が忘れさせてあげます。泣きたいのなら、俺が胸を貸してあげます。だから…涙を見せるのは、俺の前だけにしてください」

言うまでもないことではあるが。

今の俺は、フェロモンマックス状態である。

そして、今の俺を前にして、理性を保っていられた女性は…未だかつて、存在しない。

「…ルレイアは誘うのが上手いね」

「そりゃまぁ…俺の本職ですからね」

「じゃあ、今日私をホテルに連れてきたのは、『お仕事』の為?」

と、シュノさんはちょっと悲しそうに聞いた。

あらあら、全く。

「そんなこと、言わなきゃ分からないなんて…シュノさんは悪い子ですね?良いですよ、『お仕事』のときに俺がこんなに優しい訳がないってこと、身体で教えてあげますから」

…さて、ここからは。

大人の…お時間だ。
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