The previous night of the world revolution4~I.D.~
「も~ろ~びと~♪こぞ~り~て~♪むか~えま~つれ~♪」

「ひさ~し~く~♪まち~に~し~♪」

「主は来ませり~♪主は来ませり~♪主は~♪主は~♪きま~せ~り~♪」

…楽しそうなのは良いんだけどさ。

俺の部屋で合唱すんのやめろよ。

誰が歌ってんのかと言うと、我らが『青薔薇連合会』の幹部三人。

一人は、俺の相棒であるルレイア。

もう一人は、そのルレイアを慕う後輩のルリシヤ。

で、もう一人は、同じくルレイアを慕うシュノである。

この三人が、楽しげに歌っている。

歌うな。いや歌うのは良いけど、よそで歌え。

なんて、言ったところで言うことを聞くような奴らではないのだが…。

…仕方なく、俺は心の中で溜め息をついて、アホ三人を放置した。

まぁ、殺伐としてるより良いから。そう思って我慢する。

すると。

「アイ公、アリューシャ、クリスマスツリー欲しい!でっかい奴な!アリューシャが縦に30人くらい並ぶでかい奴」

「アリューシャ、それじゃちょっとしたマンションくらいの高さになるよ?」

「おぉ!良いじゃん!楽しそう」

「でも、部屋の中には置けないね。外に置かないと」

「外!?寒いからやだ!家の中に置いて、眺めながら寝る」

「じゃあもう少し小さいのにしておこうよ。アリューシャの背丈と同じくらいのサイズの」

「うーい。そうする」

…こいつらは、何の会話してんの?

歌ってるアホ三人よりはマシかと思ったが、実はあまり変わらないのでは?

ってかアリューシャ、今…クリスマスツリーって言った?

…よく聴いてみたら、ルレイア達が歌ってるのは、定番のクリスマスソング、「もろびとこぞりて」だ。

…ん?クリスマス?

俺はカレンダーに目をやった。

そうだ、もうすぐクリスマスなんだ。

成程、ハロウィンであれだけ騒ぐ奴らなのだから、クリスマスとなれば食いつかないはずがない。
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