The previous night of the world revolution4~I.D.~
「起きてください、ルヴィアさん。おはようございます」

「んん…」

「初日の出を見に行きますよ。早く起きてください」

「…」

いつもなら、まだ寝ている時間。

起きなくては、と頭では分かっているのに…どうしても、目を開けられなかった。

「…起きないようなら、仕方ないですね」

懸命に俺を揺り起こそうとしていたフューニャは、すっ、と俺から離れ。

そして。

「…なら今のうちに、肉を採取しておくとしましょう」

「…!?」

すんでのところで、俺はがばっ、と目を覚ました。

フューニャが握った出刃包丁の刃が、今にも俺の腕を抉ろうとしていた。

「…」

「…あら。おはようございます」

「お、おはよう…」

新しい年が明け、最初に見たものは。

出刃包丁を握り締め、笑顔で挨拶する、可愛い妻だった。
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