The previous night of the world revolution4~I.D.~
「…えっ?どうした?」
ついさっきまで上機嫌で、俺に甘えてすりすりして物凄く可愛かったフューニャだが。
俺が風呂から上がって出てきたときには、フューニャはしかめ面で座っていた。
な…何事?
フューニャは、首にタオルを引っかけた俺を見て、てこてこと寄ってきた。
そして、何をするのかと思いきや、いつも俺が帰宅したときにそうするように。
ふんふん、すんすん、と俺の匂いを嗅ぎ始めた。
え、な、何…?何すか?
風呂上がりなんだけど?
しかも。
「…臭いますね」
「えっ!?」
フューニャの警察犬並み、いやそれ以上の嗅覚が、何かを感じ取ったらしい。
に、臭うって…何が?
「お、お、俺は、俺は浮気なんてしてないぞ!?いつだってフューニャ一筋だ!最近美人の女の人を見ても、『でもフューニャと比べるとブスだな』って思って、やっぱりフューニャ以上の可愛い女の子なんて何処にもいないんだと確信してるのに、俺が浮気なんてするはずな、」
「別に浮気を疑ってるんじゃありませんよ。他の女の臭いなら、嗅ぐまでもなく分かります」
さすがフューニャ。素晴らしい鼻をお持ちだ。
良かった。浮気を疑ってるんじゃないのか。
心配しなくても俺は浮気はしない。
「じ…じゃあ何?」
「ルヴィアさんから…悪い臭いがします」
わ、悪い臭い?
それってもしかして、あれか。
「俺、臭い…?加齢臭…?」
風呂、入り直した方が良い…?
だとしたら、ちょっと一時間くらい身体擦りまくってこよう。
この年で加齢臭って、男としてどうなの俺。
「違います。あなたの体臭は好きなので、むしろ匂いがなくなると困ります。そうではなく…ふんふん…」
え、な…何なの?
フューニャは何かを探るように、すんすん、と鼻をひくつかせていた。
…俺、どうすれば良いの?
「ふむ…。やはり良くない匂いがしますね」
「そ、そうなのか?俺、どうしたら良い?」
「気になりますね…。ちょっと占ってきます。…決して扉を開けてはいけませんよ?」
「え!?あ、はい…」
俺はリビングから締め出されてしまった。
…中で何してんのかな、フューニャ。
見るなと言われたら見たくなるのが人の性というものだが…。
見ると一生トラウマになりそうなので、ここは見ないことにしよう。
それよりも、一体何が臭かったのか、そっちの方が気になる。
そして、十分後。
リビングから出てきたフューニャは、とても心配そうな顔をしていた。
「ど、どうだった…?フューニャ」
フューニャの占い師としての才能は本物だ。
そのフューニャが「良くない」と言うのであれば、もしかしたら…本当に、何か良くないことが起きるのかもしれない。
もしかして俺…病気とか?
余命半年とか?そういう宣告をされるのか?
「お、俺…もしかして死ぬの…?」
「…いいえ、あなたは大丈夫です。あなたは私より先には死にませんよ。ルヴィアさんに死神の影が見えたら、私が撃退しますから」
うちの嫁って、もしかして最強なんじゃない?
「じゃあ…何が良くないんだ?」
「…」
え、その無言は何?
「フューニャ…?」
「…つかぬことを聞きますが、ルヴィアさん。あなたの上司夫婦は、今お元気なんですか?」
…え?俺の上司夫婦?
言うまでもなく、ルルシーさんとルレイアさんのことだ。
もしかして…あの二人の身に、何か?
ついさっきまで上機嫌で、俺に甘えてすりすりして物凄く可愛かったフューニャだが。
俺が風呂から上がって出てきたときには、フューニャはしかめ面で座っていた。
な…何事?
フューニャは、首にタオルを引っかけた俺を見て、てこてこと寄ってきた。
そして、何をするのかと思いきや、いつも俺が帰宅したときにそうするように。
ふんふん、すんすん、と俺の匂いを嗅ぎ始めた。
え、な、何…?何すか?
風呂上がりなんだけど?
しかも。
「…臭いますね」
「えっ!?」
フューニャの警察犬並み、いやそれ以上の嗅覚が、何かを感じ取ったらしい。
に、臭うって…何が?
「お、お、俺は、俺は浮気なんてしてないぞ!?いつだってフューニャ一筋だ!最近美人の女の人を見ても、『でもフューニャと比べるとブスだな』って思って、やっぱりフューニャ以上の可愛い女の子なんて何処にもいないんだと確信してるのに、俺が浮気なんてするはずな、」
「別に浮気を疑ってるんじゃありませんよ。他の女の臭いなら、嗅ぐまでもなく分かります」
さすがフューニャ。素晴らしい鼻をお持ちだ。
良かった。浮気を疑ってるんじゃないのか。
心配しなくても俺は浮気はしない。
「じ…じゃあ何?」
「ルヴィアさんから…悪い臭いがします」
わ、悪い臭い?
それってもしかして、あれか。
「俺、臭い…?加齢臭…?」
風呂、入り直した方が良い…?
だとしたら、ちょっと一時間くらい身体擦りまくってこよう。
この年で加齢臭って、男としてどうなの俺。
「違います。あなたの体臭は好きなので、むしろ匂いがなくなると困ります。そうではなく…ふんふん…」
え、な…何なの?
フューニャは何かを探るように、すんすん、と鼻をひくつかせていた。
…俺、どうすれば良いの?
「ふむ…。やはり良くない匂いがしますね」
「そ、そうなのか?俺、どうしたら良い?」
「気になりますね…。ちょっと占ってきます。…決して扉を開けてはいけませんよ?」
「え!?あ、はい…」
俺はリビングから締め出されてしまった。
…中で何してんのかな、フューニャ。
見るなと言われたら見たくなるのが人の性というものだが…。
見ると一生トラウマになりそうなので、ここは見ないことにしよう。
それよりも、一体何が臭かったのか、そっちの方が気になる。
そして、十分後。
リビングから出てきたフューニャは、とても心配そうな顔をしていた。
「ど、どうだった…?フューニャ」
フューニャの占い師としての才能は本物だ。
そのフューニャが「良くない」と言うのであれば、もしかしたら…本当に、何か良くないことが起きるのかもしれない。
もしかして俺…病気とか?
余命半年とか?そういう宣告をされるのか?
「お、俺…もしかして死ぬの…?」
「…いいえ、あなたは大丈夫です。あなたは私より先には死にませんよ。ルヴィアさんに死神の影が見えたら、私が撃退しますから」
うちの嫁って、もしかして最強なんじゃない?
「じゃあ…何が良くないんだ?」
「…」
え、その無言は何?
「フューニャ…?」
「…つかぬことを聞きますが、ルヴィアさん。あなたの上司夫婦は、今お元気なんですか?」
…え?俺の上司夫婦?
言うまでもなく、ルルシーさんとルレイアさんのことだ。
もしかして…あの二人の身に、何か?