The previous night of the world revolution4~I.D.~
「あの…アイズさん」

『何?』

「実は、その…今、丁度、うちの嫁が…ルルシーさん達を占っていたところなんですけど」

『占い…?あぁ、君の嫁は…箱庭帝国の出身だったね』

アイズさんは、フューニャがルティス帝国の国籍を取得するときに、とてもお世話になった。

その節は本当にありがとうございました。

「嫁が言うには…ルルシーさんとルレイアさんに…良くないものが迫っている、と…」

『…』

「あくまで…占いなので、思い過ごしかもしれませんが…」

『…良くないもの…ね。具体的には何か分かる?』

「いえ…。距離が遠過ぎて、そこまでは…」

さすがに、分からないのだが。

そんな不確定な情報だけ寄越されても困る、と。

アイズさんに怒られるかと思ったが。

『…分かったよ。情報の一つとして、頭に入れておく。ありがとう』

アイズさんは、フューニャの占いを笑い飛ばすこともなく、真剣に頷いた。

さすがの器である。

『…私見だけどね、私も何となく…嫌な予感がするんだ』

「…アイズさん…」

『私の思い過ごしであることを願ってるよ。明日にでも、もう一度連絡を入れてみる。君も…』

「はい。こちらからも、時間を開けてまた連絡を入れてみます」

『お願いね。通じたら、私に教えて』

「分かりました」

そう言って、アイズさんは電話を切った。

…新婚旅行を、二人で楽しんでいるものと思っていたのに。

雲行きが、段々と怪しくなってきた…。
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