一輪のバラード

朝目が覚めると、丁度スマホのアラームが鳴ったところで、"ストップ"の方にスワイプをした。

すると、LINEが届いていることに気付きアプリを開いてみると、相手は樋井さんだった。

わたしが眠ったあとにLINEをくれたらしい。

{ 今日はありがとうございました。次は2人でお食事に行けたら嬉しいです。それでは、おやすみなさい。)

わたしは「おはようございます。昨日は既に寝てしまっていて、返信出来ずすいませんでした。次はイタリアンがいいなぁ〜なんて(笑)それでは、今日も1日頑張ってくださいね。」と返信をし、あくびをしながら伸びをするマルと共に居間へ移動した。

少しの間、ソファーでダラダラしたあと、洗面所で顔を洗い、歯磨きをする。

それからマルに朝ご飯をあげて、化粧をすると、マルに見守られながら着替えを済ませ、出勤する準備が完了した。

「じゃあ、マル。行ってくるね!」

玄関先までお見送りに来てくれるマル。

今日も寂しそうな顔でわたしを見つめるので、ドアが閉まるギリギリまで手を振り、ドアを閉めたあと鍵を締めると、いつものバスに乗って出社したのだった。

「おはよー。」

出社すると芽衣子が居て、ダルそうな表現で「おはよー。」と返してきた。

「昨日あのあと、どうだった?」

わたしが芽衣子にそう訊くと、芽衣子はへの字にして首を横に振った。

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