初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~

っと、そうだ、忘れない内に!

「あの、1年の時は、傘を貸してくれてありがとうございました。ずっとお礼も言わずにごめんなさい」

ペコリ!と頭を下げて言うと、漸く伝えられた事で胸のつかえが取れた気がした。
…本当に遅すぎるくらいだけどね。


「…え」


あ、忘れちゃってるかな。

「覚えてないかも知れないけど、徳永くん、1年の時に私に傘を貸してくれたの」

「…いや覚えてるけど…栗原さん、覚えててくれたの?」

「うん。まだ借りっぱなしでお返ししてなくてごめんなさい」

そんな言い方をしてしまったけど、ホントは大事に取ってあって…私の宝物になってるの。


「いや…あげるって言ったと思うから…え、そうなんだ、覚えててくれたんだ…」

あぁ、徳永くんも覚えててくれてよかった。


…それから駅まで並んで歩きながら、いろんなお話をした。

私の話すことなんてつまらないと思うんだけど、徳永くんはずっと笑顔で楽しそうに話してくれたんだ。




──これが徳永くんとの2回目の会話。

私が徳永くんと話せてるなんて、ちょっとまだ信じられなかった。

男子と話すのは少し苦手なんだけど、徳永くんとお話しするのは楽しくて嬉しくて、心がうきうきしてくすぐったくて…ふふ。

こんなに素敵なドキドキとワクワクな気持ちなんて、初めて。

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