時が経っても君を忘れない恋がしたい
さっきまで私の後ろにいたサラリーマンは気まずそうに目を逸らすと、手持ち無沙汰になった片手で吊り革を掴んだ。


「…悪い、気がつかなくて」

「いやいや…!ありがとう…」


こそっと耳打ちをしてきた及川くんに、赤くなっているであろう顔を伏せながら必死に首を横に振る。

…ほらね。やっぱり及川くんは今も昔も優しい人なんだ。





及川くんと話した次の日は休日だった。

だから会うはずなんてないとそう思っていたのに、私たちはまた出会ってしまった。


「…及川、くん?」


今日は定期検診があったため、いつもの病院で検診を受けてもう帰ろうとしていたところで、なぜか及川くんがぼーと一点を見つめながら座っているのを見つけた。


「…花村?」

「何してるの?風邪引いたとか?」


ふと、馴れ馴れしく踏み込みすぎだろうかと我に返るが、及川くんはあまり気にしていない様子で「まあそんな感じ」と曖昧に返してきた。
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