遣らずの雨 上
『今日は家まで送らせて欲しい。』
シートを少しリクライニングして倒し、
シートベルトをかけてくれた酒向さん
に頷くと、ホッとしたかのように
笑顔を見せてくれ、運転席にまわり
そこに乗り込む姿を目で追う
断りたいけど、今はこの発作のせいで
とても歩けそうにないので、本当に
酒向さんが居てくれて良かった‥‥。
お礼を言いたいのに、呼吸がまだ
不安定な為、ハンカチで口元を押さえたまま眺めることしかできない
今‥‥何を思ってるのか知りたい‥‥
『落ち着いたみたいだね。
家に勝手に上がって悪かった。
すぐ帰るから安心していいよ。あと
明日の旅行は無理しなくてもいい。』
ドクン
前に家で酒向さんを傷つけた事を
今更ながらに気付き、思い出したくない
であろう嫌な気持ちを感じさせて
しまってるのではと不安になる
迷惑をかけて心配させたあげく
運んでもらっておいて、何もお礼すら
出来ていない‥‥
「酒向さ‥‥」
『ん?どうした?』
ベッドに横たわる私と目線を
合わせるように床に座ると、真っ直ぐ
見つめてくる優しい瞳に目頭が熱くなる
こんな優しい人を傷つけてまで、
そばにいていいのだろうか‥‥
「酒向さん‥‥前にとても酷いことを
言ってごめんなさい‥‥」
『フッ‥‥泣かなくてもいいよ。
また苦しくなるといけないだろう?
新名は悪くないよ。俺が勝手に
君と友達になりたいと思っただけで、
結果的に悩ませてしまっただけ。』
長くて綺麗な指が私の涙を拭い、
フッと小さく笑う。
『君に会いたかったのは本当だし、
頑張る君の側にいれて良かったと
思ってる。
だから新名は何も悪くないよ‥‥。
鍵はかけたら内ポストに入れる。
明日無理なら気にせず連絡すること。
いいね?』
もう一度丁寧に涙を拭ってくれた
酒向さんが立ち上がろうとした時、
無意識に酒向さんの手を掴んでいた
『‥‥‥新名?』
ハッとして掴んでいた手を
慌てて離そうとすると、
酒向さんに今度は私の手を握られた
『‥‥帰って欲しい?』
ドクン
シートを少しリクライニングして倒し、
シートベルトをかけてくれた酒向さん
に頷くと、ホッとしたかのように
笑顔を見せてくれ、運転席にまわり
そこに乗り込む姿を目で追う
断りたいけど、今はこの発作のせいで
とても歩けそうにないので、本当に
酒向さんが居てくれて良かった‥‥。
お礼を言いたいのに、呼吸がまだ
不安定な為、ハンカチで口元を押さえたまま眺めることしかできない
今‥‥何を思ってるのか知りたい‥‥
『落ち着いたみたいだね。
家に勝手に上がって悪かった。
すぐ帰るから安心していいよ。あと
明日の旅行は無理しなくてもいい。』
ドクン
前に家で酒向さんを傷つけた事を
今更ながらに気付き、思い出したくない
であろう嫌な気持ちを感じさせて
しまってるのではと不安になる
迷惑をかけて心配させたあげく
運んでもらっておいて、何もお礼すら
出来ていない‥‥
「酒向さ‥‥」
『ん?どうした?』
ベッドに横たわる私と目線を
合わせるように床に座ると、真っ直ぐ
見つめてくる優しい瞳に目頭が熱くなる
こんな優しい人を傷つけてまで、
そばにいていいのだろうか‥‥
「酒向さん‥‥前にとても酷いことを
言ってごめんなさい‥‥」
『フッ‥‥泣かなくてもいいよ。
また苦しくなるといけないだろう?
新名は悪くないよ。俺が勝手に
君と友達になりたいと思っただけで、
結果的に悩ませてしまっただけ。』
長くて綺麗な指が私の涙を拭い、
フッと小さく笑う。
『君に会いたかったのは本当だし、
頑張る君の側にいれて良かったと
思ってる。
だから新名は何も悪くないよ‥‥。
鍵はかけたら内ポストに入れる。
明日無理なら気にせず連絡すること。
いいね?』
もう一度丁寧に涙を拭ってくれた
酒向さんが立ち上がろうとした時、
無意識に酒向さんの手を掴んでいた
『‥‥‥新名?』
ハッとして掴んでいた手を
慌てて離そうとすると、
酒向さんに今度は私の手を握られた
『‥‥帰って欲しい?』
ドクン