遣らずの雨 上
雑誌掲載、見開き1ページを使った
夏の新作プラス岐阜店の見どころ、
自社製品の強み、自分が着てみて感じた
事を纏めた資料を差し出す
デザインは佐藤さんがしてくれた
ものだから既に案は通っている
あとは読者にその部分をスルーされず
読んでもらえないと意味がない
neLuのことを知っている人には勿論、
知らない人が割合的には多いから、
この機会に知っていただくチャンス
でもあるのだ
『分かった。少しだけ時間を貰える?
宮川と岐阜店に行くから、帰って
来てからチェックするよ。』
「はい、それで構いません。
よろしくお願いします。」
酒向さんに頭を下げた後、視線が
突き刺さるのを無視できず宮川さん
にも頭を下げた。
今日は‥‥‥外出か‥‥‥。
デスクから見上げた先にいる人が
居ないというだけで、ホッとするような
違うような複雑な気分になる。
あの後フレンチに初めて連れて
行ってもらい、色々な話を帰りの
車の中でもした。
マーケティングのこと。
酒向さんの東京での暮らしのこと。
それ以外にも聞けたけど、私の事は
最後まで何も話すことが出来なかった。
友達を辞めたい、1人の方が好きだから
という気持ちは伝えてあるのに、
酒向さんの態度は全く以前と変わらず
寧ろ優しさが増している
今までの私だったら、それすら
跳ね除けてでも1人を選んで来たのに、
たった1人の人の存在でそれが上手く
出来なくなっていた
今までどうやってやってきた?
表情はどんな顔して生きてきた?
そんな事を自問自答する毎日だ
『酒向君、そろそろ行くわよ?』
さりげなく肘に触れる手入れされた
綺麗な手に、反対側から成瀬さんで
さえ2人を睨んでいる
仕事のパートナーなのは分かるけど、
宮川さんの甘い態度に、部内が
ギクシャクしてるのも本当のことだ
期間限定の宮川さんとの時間だけど、
巻き込まれたくないし
私は無関係で居たい。
『新名さん』
えっ?
『少しだけチェック出来たから、
修正箇所見ておいて。』
「はい!ありがとうございます。」
忙しいのに、見てくれたんだという
そんなことでさえも私はテンションが
上がる単純な生き物なのだと思い
知らされる。
戻ってくるまでに、より良いものに
してもう一度見てもらおう。
優子と濱田さんとお昼休憩を終えて、
部署に1人早めに戻って来ると、
珍しく成瀬さんがデスクで仕事を
していた
夏の新作プラス岐阜店の見どころ、
自社製品の強み、自分が着てみて感じた
事を纏めた資料を差し出す
デザインは佐藤さんがしてくれた
ものだから既に案は通っている
あとは読者にその部分をスルーされず
読んでもらえないと意味がない
neLuのことを知っている人には勿論、
知らない人が割合的には多いから、
この機会に知っていただくチャンス
でもあるのだ
『分かった。少しだけ時間を貰える?
宮川と岐阜店に行くから、帰って
来てからチェックするよ。』
「はい、それで構いません。
よろしくお願いします。」
酒向さんに頭を下げた後、視線が
突き刺さるのを無視できず宮川さん
にも頭を下げた。
今日は‥‥‥外出か‥‥‥。
デスクから見上げた先にいる人が
居ないというだけで、ホッとするような
違うような複雑な気分になる。
あの後フレンチに初めて連れて
行ってもらい、色々な話を帰りの
車の中でもした。
マーケティングのこと。
酒向さんの東京での暮らしのこと。
それ以外にも聞けたけど、私の事は
最後まで何も話すことが出来なかった。
友達を辞めたい、1人の方が好きだから
という気持ちは伝えてあるのに、
酒向さんの態度は全く以前と変わらず
寧ろ優しさが増している
今までの私だったら、それすら
跳ね除けてでも1人を選んで来たのに、
たった1人の人の存在でそれが上手く
出来なくなっていた
今までどうやってやってきた?
表情はどんな顔して生きてきた?
そんな事を自問自答する毎日だ
『酒向君、そろそろ行くわよ?』
さりげなく肘に触れる手入れされた
綺麗な手に、反対側から成瀬さんで
さえ2人を睨んでいる
仕事のパートナーなのは分かるけど、
宮川さんの甘い態度に、部内が
ギクシャクしてるのも本当のことだ
期間限定の宮川さんとの時間だけど、
巻き込まれたくないし
私は無関係で居たい。
『新名さん』
えっ?
『少しだけチェック出来たから、
修正箇所見ておいて。』
「はい!ありがとうございます。」
忙しいのに、見てくれたんだという
そんなことでさえも私はテンションが
上がる単純な生き物なのだと思い
知らされる。
戻ってくるまでに、より良いものに
してもう一度見てもらおう。
優子と濱田さんとお昼休憩を終えて、
部署に1人早めに戻って来ると、
珍しく成瀬さんがデスクで仕事を
していた