獅子の皮を被った子猫の逃走劇
Prologue
――龍ヶ崎高校。
ある人が聞けば、恐れて1歩も近づこうとさえしない場所。
またある人が聞けば、果敢に飛び込むような場所。
そう、龍ヶ崎高校はヤンキーたちの名門校であった。
共学ではあるものの、女子生徒数は圧倒的に少なく、いるのは男にも負けないような強い人たちばかり。
常にトップを争っての抗争が飛び交い、正に血で血を洗うような所だ。
龍ヶ崎に睨まれたが最期。
五体満足で戻れたものはいない……とは誰が言い始めたものか。
さて。
そんな恐ろしい場所であるが、つい最近そこにある変化が訪れたらしい。
何でも、ここ数年龍ヶ崎を牛耳っていた不動のトップがついに変わったのだ。
入学式当日にそれは起こった。
まだ入学式も始まっていないというのに、入学早々に下克上を狙おうと躍起になる新入生と、舌なめずりしながら待ち構える在校生。
どちらが勝つのかの緊迫の瞬間は瞬く間に終わり、結果は不動のトップの勝利。
誰もがアイツには勝てないと半ば諦めを抱き始めた時。
目にも止まらぬ早業でそのトップを蹴散らした男が現れた。
その存在に驚愕する者、崇める者、興味を持つ者。
向かってくるどんな攻撃をものともせずに、華麗に避ける彼の人の様を見て人々はこう呼んだ。
ーー無敗の獅子、と。
ある人が聞けば、恐れて1歩も近づこうとさえしない場所。
またある人が聞けば、果敢に飛び込むような場所。
そう、龍ヶ崎高校はヤンキーたちの名門校であった。
共学ではあるものの、女子生徒数は圧倒的に少なく、いるのは男にも負けないような強い人たちばかり。
常にトップを争っての抗争が飛び交い、正に血で血を洗うような所だ。
龍ヶ崎に睨まれたが最期。
五体満足で戻れたものはいない……とは誰が言い始めたものか。
さて。
そんな恐ろしい場所であるが、つい最近そこにある変化が訪れたらしい。
何でも、ここ数年龍ヶ崎を牛耳っていた不動のトップがついに変わったのだ。
入学式当日にそれは起こった。
まだ入学式も始まっていないというのに、入学早々に下克上を狙おうと躍起になる新入生と、舌なめずりしながら待ち構える在校生。
どちらが勝つのかの緊迫の瞬間は瞬く間に終わり、結果は不動のトップの勝利。
誰もがアイツには勝てないと半ば諦めを抱き始めた時。
目にも止まらぬ早業でそのトップを蹴散らした男が現れた。
その存在に驚愕する者、崇める者、興味を持つ者。
向かってくるどんな攻撃をものともせずに、華麗に避ける彼の人の様を見て人々はこう呼んだ。
ーー無敗の獅子、と。
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