獅子の皮を被った子猫の逃走劇
「遅くなった、悪い!」
この声は……この匂いは……!
「っ、折田先輩!」
来て、くれた!
その安心感に身体中の力が抜けて、そこで初めてこんなにも力んでいたのだと驚く。
「やだなあ、ヒーローは遅れて登場ってか?ふざけんなしね」
そう男が言うと、ぞろぞろと現れた虎月の人たちが一斉に折田先輩に降りかかる。
その光景に、さすがの折田先輩でもこれは捌ききれないんじゃって心配するけど、それは杞憂に終わった。
また一人、床にどさりと倒れていく人。
結果は折田先輩の瞬殺。
みるみるその数を減らす虎月の人たち。
「安心して守られてろ」
そう言う折田先輩がかっこいい。
折田先輩が粗方倒して、あの男と一騎打ちになったところで私の意識は途切れた。