明日、先輩の彼女
出会ったあの日から私は先輩に恋に落ち、かれこれもう八ヶ月は片想いしている。


「目、鼻、口全部愛おしい!先輩の顎のほくろだって愛してます!」

「…こわ」


先輩は今日も私を冷たく一瞥するだけで、腕にしがみついていた私の手をあっという間に解いてしまう。

あーん、今日も冷たい。

でもそんなところが大好き!


「よくそんだけ振られてて燈真のこと諦めないよね。本当、夕愛ちゃんには尊敬するよー」

「私の先輩ラブパワーは誰にも負けません!一生消えることもないのです!永久不滅!だから早く私のこと好きになってください♡」

「誰がなるか」

「こいつが誰かを好きになるなんて想像つかないけど、もし燈真に好きな子ができたらそれはそれは溺愛するタイプだったりして。なんて、冷酷男子燈真くんに限ってそんなことはないか…いてっ!?」


茶化している翔琉先輩を、無表情のまま先輩が蹴っていた。

普段クールな先輩が彼女には溺愛だなんて、ギャップで私だったら死ぬ。

想像しただけでにやけが止まらないよ。


「…何笑ってんだよ、気持ちわりぃ」
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