野いちご源氏物語 〇六 末摘花(すえつむはな)
半年が経っても、はかなく亡くなってしまった夕顔の君を、源氏の君は忘れることができずにいらっしゃった。
ご正妻である左大臣家の姫君も、年上の恋人である六条御息所も気位が高い女性だから、おっとりとしてやさしかった夕顔の君が恋しくてならないの。
<どうにかして似た女性を探したいものだ。身分がそれほど高くなくて、気楽にかわいがることができる人はいないものか>
と、あいかわらずの浮気心がうずき出す。
よさそうな姫君の噂をお聞きになると、ご希望の条件を満たしそうな人には短いお手紙をお送りになる。
ほとんどの女性は簡単になびいてくるからつまらないの。
簡単にはなびきそうにない、手ごたえのある女性にだけもう一度お手紙を送られる。
でもそういう女性って、恋愛にうつつを抜かすつもりなどない生真面目女ということが多いでしょう?
そうすると源氏の君なんかじゃなくて、手堅い男性と手堅い結婚をしてしまうのよね。
源氏の君は口説きかけで関係が終わってしまう。
空蝉の君をときどき恨めしく思い出される。空蝉の君の継娘もなつかしい。
<おふたりが囲碁をするところを覗き見したのだったな。くつろいで楽しそうなお姿はとても魅力的だった。もう一度あのような機会はないだろうか>
などと、いつまでも昔の恋人たちを思い出しておられる。
ご正妻である左大臣家の姫君も、年上の恋人である六条御息所も気位が高い女性だから、おっとりとしてやさしかった夕顔の君が恋しくてならないの。
<どうにかして似た女性を探したいものだ。身分がそれほど高くなくて、気楽にかわいがることができる人はいないものか>
と、あいかわらずの浮気心がうずき出す。
よさそうな姫君の噂をお聞きになると、ご希望の条件を満たしそうな人には短いお手紙をお送りになる。
ほとんどの女性は簡単になびいてくるからつまらないの。
簡単にはなびきそうにない、手ごたえのある女性にだけもう一度お手紙を送られる。
でもそういう女性って、恋愛にうつつを抜かすつもりなどない生真面目女ということが多いでしょう?
そうすると源氏の君なんかじゃなくて、手堅い男性と手堅い結婚をしてしまうのよね。
源氏の君は口説きかけで関係が終わってしまう。
空蝉の君をときどき恨めしく思い出される。空蝉の君の継娘もなつかしい。
<おふたりが囲碁をするところを覗き見したのだったな。くつろいで楽しそうなお姿はとても魅力的だった。もう一度あのような機会はないだろうか>
などと、いつまでも昔の恋人たちを思い出しておられる。