アオハル・サーキュレーター
1、
玄関を開けると、炊き込みご飯のにおいがした。
「今朝、実家から送られてきたんだよね、炊き込みご飯の素」
「炊き込みご飯の素」14インチの重たいノートPCが入ったカバンをソファーの横に置き、ミツの言ったことを反芻した。
「なんでわざわざ炊き込みご飯の素?」
「私も知らなかったんだけど、なんか有名なんだって。鯛めし」
「魚はあんまり好きじゃないんだけどな」
ソファーにどっかりと座って、すぐに靴下を脱ぐ。そして、ガラステーブルの下に足で軽く蹴る。
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