アオハル・サーキュレーター
「これは?」
「ベレッタM9でございます。イタリア・ベレッタ社のM92Fをアメリカ軍向けに製造した比較的使いやすい銃です。使い方ですが……」
と、丁寧に説明を受けたが、これはわかる。ベレッタU.S.モデル9。昔、舞台脚本で拳銃が出てくる話を書いたときに、勉強した。その時はもちろんモデルガンだったが、まさか本物を手に取る時が来るとは。
「いただいていいんですか?」
「これは、ヤヨイ様から昨晩、私共に注文が入りまして、武器屋から本日調達したものになります。もし、アオイ様が武器をご所望になったら、入社祝いとしてお渡すとのお約束で。まさか今日ご所望になるとは私共も思わなかったので、本日調達できてよかったです」
ヤヨイがそんなことを……とても考えられない。が、しかしこの気持ち。
「普通に、嬉しいです」