愛と孤独

一枚の紙


恋なんて脳のバグのようなもの。

あまり真剣に考えてはいけませんわ。

セイラは授業中、必死に恋心と戦っていた。

窓際の後ろらへんの席をみた。

そこには退屈そうに空を眺めるルカがいた。

綺麗な黒髪を窓から入ってきた風になびかせて、綺麗な瞳を輝かせている。

あれ以来、ルカと関わることはなくなってしまったけど、恋心はどんどん加速していた。

まっすぐにルカの瞳を見つめると、一瞬目があったように感じた。


授業が終わり、廊下に出ようとすると、誰かがセイラの肩を叩いた。

「この後時間ある?」

後ろを振り向くとルカがそこにいた。

セイラは肩に置かれたルカの手をのけて、ため息をついた。

セイラがこのような不機嫌そうな態度をとったのには理由があった。

周りの女子が私とルカに集中しているからだった。

ルカはかっこよくて人気があるから私が変な噂を立てられては困る。

「何の用?私、貴方と何処かで関わりましたっけ?それとも、急用でないなら失礼します」

セイラは席を立ち、その場から離れようとすると、ルカが腕を掴んだ。

「待って、君にこれを渡したい」

ルカはそう言ってセイラの手に一枚の紙を握らせた。それだけ済んだらルカは堂々と教室を出ていった。

一体なんだったの?あのクズ男...

セイラは渡された一枚の紙を見た。

そこには''明日の午後二時頃、学校の前の橋で待ってる。来てくれたらご褒美をあげるよ''と書かれていた。

ばかばかしい...なぜ私に...

セイラは腹立ったが、同時に嬉しかった。

ルカともう一度喋る機会を得られたからだった。

オシャレしてこ...♡

心の中でそういって、セイラはほほえんだのだった。



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