凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜


「いってらっしゃい。愛してる」

私はそう言ってチュッとキスをする。
これでよろしいかな?

「行ってきます。愛してる」

そう言ってそれは満足そうに彼は笑った。

最後に鼻と鼻でキスをして私はキャリーケースを伊吹に預けて部屋を出た。

ドッドッと心臓がバカみたいに鳴っている。
大太鼓みたいに。

な、なんか少し会ってなかった間に、カッコ良さが増してないか!?

テレビ電話では見てたけども!?

生ヤバいわ。

生ヤバいわ。

もう何回でも言う。

生…ヤバいわ。

そして真っ赤な顔をしたまま口元を抑えて私は小走りでサーキットへ向かった。

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