凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
そして翌日。

別れが惜しくなるからと見送りを断られ、伊吹はまた日本を飛び立った。

伊吹…
頑張って…

私は部屋で一人窓際に立って空を見上げて心の中で呟いた。

頬からは一筋の涙。

私もあと少し、残された仕事を終わらせよう。

レースの日は夜中だろうがTVで伊吹を応援した。

その国ごとに様々な工夫のされたサーキットで巧みなドライビングテクニックと、マシンの強さが試される。

見てるこっちはいつだってハラハラだ。

でもやっぱり伊吹はカッコいい。

「凄い…また一位じゃん…」

テレビの前で涙する。

するとたまたま伊吹のアップが画面に映し出された。

伊吹っ!

伊吹は目を閉じて自分のちょうど胸の真ん中あたりをグッと握る様な仕草を見せたあと、その拳にキスをした。

私はそのまま後ろにひっくり返る。

な、何いまの…
か、かっこよすぎないか!?

伊吹は言っていた。
レースの時はネックレス付けるって。

レディースだからやめなと言ったけど、またうるせぇと言われてしまった。
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