凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「わかったよぉ。冷たいなぁ」

「はい。バイバイ」

いやもうそのジェスチャーはバイバイじゃなくて、シッシッだ。

「ねぇ、なんでぇ? あ、今からスケベなゲームでもするの?」

「ほんとバカ」

「はいはい。兄弟揃ってベースケですね。帰りますよ」

「はい。バイバイ」

「内緒で行くから言わないでね」

そう言ってマンションを後にした。

しかもイチ君は最近知ったけど、あの分厚いメガネを外すとちゃんとイケメンだった。

なんでコンタクトにしないのかと聞いたら、イブみたいに騒がれたくないからだそうだ。

なるほどねぇ。
伊吹とはまた違うイケメンだけど、イケメンにはイケメンの悩みがあるらしい。

そしていよいよ退社する日がやってきた。

「大変お世話になりました」

「こちらこそ、ご尽力頂きありがとうございました」

皆んなに最後に豪華な花束をもらって私は会社を後にした。
< 260 / 300 >

この作品をシェア

pagetop