凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「ここなら伸び伸び暮らせるかなって」

そりゃもう、伸び伸びどころでないよ。

窓からは地中海がパノラマに見渡せるそれは素敵な景色が広がっている。

家の中は白亜で統一されて、オシャレでモダンな家具などが既に揃ってあった。

「素敵すぎ。掃除頑張る」

こんなの掃除してたら一日終わるわ。

「あ、大丈夫。ハウスキーパーとお手伝いさん着いてるから」

「へ?」

「日本のマンションもハウスキーパーはいたよ」

あ、左様で。
通りでめっちゃ綺麗だったわけだ。
てっきりイチ君が頑張ってんのかと思ったわ。

「私は何を…」

「あの…できれば、可能な範囲で琴のご飯が食べたい」

「え? それだけ?」

「それだけじゃないだろ。買い物だって献立だって忙しいだろ。お願いできる?」

「任せて!」

実は栄養士の資格を取ろうかと思っていたところだった。

「ありがとう。あとは…レースについて来て欲しい」

「当たり前!」

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