凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「あ、俺夢でスケベだった?」

穴があったら入りたいとはこの事だ。
カァっと耳まで一気に熱くなる。

ニヤニヤしながら私を見下ろす伊吹を僅かな抵抗で睨むも全く効き目なし。

「ビギナーの琴には優しくしないとな?」

そう言ってまたシートが戻された。

そして伊吹は車から下りて、助手席まで回るとドアを開けて私を下ろす。

「大丈夫? 運転して帰れる?」

「帰れる!」

「琴。連絡先教えて」

そう言って携帯を出された。

「あ、はい」

私は反射的にあっさり交換してしまった。

「家ついたら連絡して」

「なんで」

「いいから」

ムっとする私。

「はい。ふくれない。気をつけて帰れよ? やっぱり送ってくか?」

「いい!」

「ははは」

「あの、ごちそうさまでした。あと送ってくれてありがとう」

そう言うと伊吹は優しく笑みを浮かべ私を見下ろす。
背が高い。

「いいえ。また行こう」

「そ、それじゃ。…また」

「ああ。またな。おやすみ」

「おやすみなさい」

そう言って伊吹は車に乗り込むと片手をあげて発進させた。
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