凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「伊吹は力持ち」

助手席に座った琴がヘラヘラ笑いながらそんな事を言っている。

「お前より重いダンベル上げてるしな」

俺はそのまま外から琴のシートベルトを締める。
おし。

「あはは! 確かに。でもスリムだよね」

運転席に乗り込むも会話は続く。

「ゴリゴリの方がいい?」

琴は結構お喋りだ。

「いや無理。笑う。顔と身体合ってない」

そして辛口。
そこがまた面白い。

「ははは。ゴリゴリにはならないよ。あんまり体重増やせないし」

「そうだよね。私は? どう? 変わった?」

いや裸見たことないし。
まぁジムでの姿見ればだいたい想像つくけど。

「服着てたらわからん」

「えー? ほらウエストとかさー、結構引き締まったと思うんだけどなー」

ちょっとくらいプニっとしててくれ。
その方が触りがいあるし。

「無理だけするなよ」

「はーい」



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