凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜


「当たり前でしょ。しかもあんな自然に間接キスしちゃってさ? 何、もうそういう事はしちゃったとか?」

か、間接キス!?
そうじゃん!
何で気づかなかったんだ!?

「そういう事って…し、してないよ! 私が漫画のヒーローに憧れてて何も経験してないのも知ってるもん」

「はぁ? 知ってるもん? そりゃあんたのペースに合わせてくれてるんじゃん。いや、いい男すぎ」

確かに凄い良い男なのはもう良く知ってる。

「でも、本当に何もして来ないんだけど…」

「あんたさ、待ってるだけじゃダメよ? 琴も彼の事好きなんでしょ?」

え…
急に聞かれて驚く私。

「は? 何その反応。やっぱり自覚無し!?」

「いや…いつもドキドキしてる。実は」

「惚れてんじゃん!」

私が伊吹を…
そう思ったら一気に顔が熱くなる。

「え、ちょっと待って。彼ナンパされてない!?」

ぐぁ!
ホンマや!
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