それぞれの幸せの形
幸せ
「おはよ」

私の幸せはここから始まる

この4月から新人看護師として働き始めたのと同時に大好きな彼氏との同棲も始めた

朝7時
顔洗って歯磨きして早く準備しないと!


「智樹さん!早く準備して!遅れる!!」

「えっ、まじ?
もうこんな時間?やば」


智樹さんとは大学時代の実習で出会った
私の一目惚れだった


智樹さんはとにかくめちゃくちゃ顔がかっこいい
もちろん顔だけじゃないけど
今は循環器内科で働いているけど、前は小児科にいたらしい
だから子供にとても優しいし、その親御さんたちにも大人気
看護師や他の同僚からの信頼も厚くて智樹さんの周りにはいつもたくさんの人が集まってる

そんな人気者の智樹さんとなんで私なんかが付き合えたのか今でも不思議に思う
あれは私がまだ働き始めて間もない時だった

初めての仕事で周りに信用できる人もいなくて、失敗ばかりだった
その時はまだ今では同じ看護師として働く、私の唯一といってもいいくらいの親友である陽菜とも友達じゃなかったし相談できる相手もいなかった、本気で辞めたいって思った

実習の時にやってたようにうまくいかない
「もうやめよっかな、」

私が病院の屋上で落ち込んでたとき

「あれ、優香ちゃんじゃん、
久しぶりだね
聞いたよこの病院の看護師になったんだってね
これからよろしくね」

「智樹先生、!?」

実習のときに一目惚れして、でもあの時も智樹さんの人気はすごくていつも遠くで見つめてた
話したのなんて一言、最初の自己紹介くらいだった

だから名前を覚えていてくれたことがすごく嬉しくて、
また話しかけてくれたことにすごく助けられて、

大袈裟じゃなく、今でも看護師を続けられているのは、あのとき智樹さんに声をかけてもらったからだ


でも、今思えば私がこの病院の看護師になったことくらい名簿を見ればわかるし、実習に来てたくらいだからもちろんこの病院に来るに決まってる
他の先生にも色々聞いていたはずだ

だけど、何も知らないふりをして、誰がどう見ても落ち込んでいた私を、何も知らないふりをして智樹さんは普通に接してくれたんだと思う

智樹さんにとってはほんの些細なことだったと思うが、私にとっては涙が出るくらい嬉しかった


それから、私はやる気を取り戻して、1からまた頑張ってみようと思った

それからすぐに研修で一緒になった陽菜とも友達になって
仕事もだんだん覚えてきて
毎日が楽しくなった

でも智樹さんのことだけは、なかなか勇気が出なくて、話しかけれなかった

彼女はいないってことは知ってたけど、他の看護師から何度も告白されてたことはもちろん知ってたし、
もちろん他の科の先生からも告白されてた

その度に断ってたし、もしかして智樹さんには他に好きな人がいるのかなと思って半分諦めてた
< 3 / 33 >

この作品をシェア

pagetop