それぞれの幸せの形

足かせになる思い出

優香と同棲をするようになって、しばらくして久しぶりに38度を超える熱が出たとき

本当に最初はただの風邪だからすぐ治るだろうと思っていた
しかし、なかなか治らず辛い日々が続いた
またその中で毎日のように麗奈の夢を見るようになっていた

夢の中では俺らはあの時のように手を繋いで学校帰りデートしてる
みんなで笑い合ってる
でも目覚めると麗奈はいない

こんな日がずっと続いて、流石にあの日々を思い出す機会が多くてだんだんとしんどくなってきた
熱があるから寝ないといけないのに、寝ると麗奈の夢をみる
そのうち麗奈が亡くなったときの夢をみるようにもなっていた

今は麗奈じゃなくて優香と向き合うべきなのに
分かっているのに、分かっているのにできない自分にどうしようもなく腹が立って
一向に下がらない熱に募る焦り

入院してからも一向に状況は変わらず、焦っていた
そんなとき支えてくれたのは龍の彼女である柚葉だった
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