花言葉はピュア ー敏腕社長は百合のような彼女を守り抜くー

その客を見た途端、環は羞恥心で体中が熱くなった。

そこには黒いスーツに似合う光沢のあるグレーのネクタイを締めた葉山斎が、両手を組みながら環を見上げていた。

その表情からは感情が読み取れない。

お久しぶりです、というべきだろうか?

環は少し悩み、結局「いらっしゃいませ。ご指名ありがとうございます。」と通常通りに声を掛けた。

葉山の隣に座り、水割りを作ろうとウイスキーのボトルを持ち上げた。

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