花言葉はピュア ー敏腕社長は百合のような彼女を守り抜くー

ある日、環が常連客の鈴木に水割りを作っていると、ママに耳打ちされた。

「あちらのお客様が小百合ちゃんを指名されてるから早く行って差し上げて頂戴。」

「どなたですか?」

環は常連客の顔を思い浮かべた。

「初めてくるお客様よ。仕立ての良いスーツを着てらっしゃるから、きっと太い客になるわよ。気に入られるように上手く相手なさい。」

「はい。」

初めての客はいつも緊張する。

環は呼吸を整え、客が座るボックス席へと急いだ。
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